活性酸素の話

■活性酸素について

活性酸素は体内において、ウイルスや細菌などの病原菌や異物など、外敵侵入から身を守るといった大変重要な働きがあります。 しかし活性酸素が過剰に発生した場合、私たちの身体を作る根源的な部分(細胞膜、DNA、血管、酵素タンパクなど)が攻撃され、酸化(サビ)を起こします。それにより体内では老化が加速され、生活習慣病をはじめとする様々な病気の引き金となり、健康で元気に過ごす毎日が脅かされることへとつながります。

病気や症状の90%以上は、その原因に活性酸素が深く関わっているといわれています。

■活性酸素が原因で引き起こされる症状

老化、体力低下、免疫力低下、疲労感、不眠、ガン、動脈硬化、高血圧、糖尿病、認知症、脳卒中、心筋梗塞、狭心症、自律神経障害、胃腸障害、パーキンソン病、白内障、痛風、炎症(皮膚炎、胃炎、肺炎、肝炎、関節炎、口内炎など)、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー症状、肺気腫、など。

活性酸素を過剰に発生させてしまう要因は、日常生活の中で実にたくさんあります。

■活性酸素を過剰に発生させる要因

  • 体内で食べ物が分解・合成される時、エネルギー変換される時
  • 酵素、ホルモン、抗体、身体の各部分がつくられる時、分解される時
  • 血管内で血流が滞った時、滞った血流が再び流れ出される時
  • 身体に痛みや炎症がある時、激しい運動をした時
  • 精神的ストレス、肉体的ストレスを受けた時、ストレスから解放された時
  • 紫外線、電磁波、放射性物質
  • 抗がん剤、放射線(レントゲン、CT、MRIなど)
  • 残留農薬、殺菌漂白剤、除草剤
  • 食品添加物、酸化した油の摂取
  • 花粉、PM2.5・黄砂・排気ガスなどの大気汚染物質、土壌汚染、水質汚染
  • 加齢、アルコール、タバコ、薬剤の多用、食べ過ぎ、肥満
  • 不眠、過労、不安、心配、考え過ぎ、怒り・嫉妬などの感情

など

活性酸素は、体の中で辺りかまわず動きまわり、周辺の安定した分子から電子を奪い取ります。奪い取られた細胞の構成分子は、このとき傷つけられ、細胞が酸化されます。 わたしたちの健康を脅かす活性酸素は、大きく分けて4種類あり、それぞれに特徴があります。

■代表的な4つの活性酸素種

◆ヒドロキシルラジカル(フリーラジカル)•OH
活性酸素の中で最も反応性が強く、酸化力も強いので、体内への影響力が最も強い活性酸素。
スーパーオキシドラジカル、過酸化水素から変化すると考えられる。
脂質、糖質、タンパク質と、周りにあるものを手当たり次第に酸化させるため、ガンや生活習慣病を引き起こし、老化を早める大きな要因とされる。
◆一重項酸素(非ラジカル)1O2
電子そのものは一応ペアになっているが、片側に電子が全く無い状態のため、常にその部分に電子を求めて安定しようとし、電子を奪う力=酸化力が非常に強くなる。紫外線や放射線(X線)によって皮下組織で大量に発生すると考えられている。
◆過酸化水素(非ラジカル)H2O2
スーパーオキシドラジカルが水の分子と反応して作られる活性酸素。   
電子的には全てペアになっているので酸化力は大きい方ではないが、わずかなきっかけですぐに酸化力の強いヒドロキシルラジカルに変化してしまう。   
オキシドールとも呼ばれ、殺菌、消毒、漂白剤として使用されている。   
体内では抗酸化酵素のカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼにより水と酸素に分解される。
◆スーパーオキシド(フリーラジカル)O2-
体内で酸素分子から最初にできる活性酸素。   
細胞内でミトコンドリアが酸素からエネルギーを作るときにできるものであり、私たちが生きていく上で必ず発生する。そのため、大量に発生されるが、体への影響は他の活性酸素に比べ少ないと考えられている。   
ただし、抗酸化酵素であるSODによって処理されると過酸化水素になり、鉄イオンによってヒドロキシルラジカルになる。

■4つの活性酸素の構造

出典 質と血栓の医学より

不対電子を持つ不安定な原子や分子をフリーラジカルという。
安定するために他の原子や分子から電子を奪って安定しようとする。
原子や分子の電子が1つ奪われると、その物質は「酸化」されたという。

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